リゴの小冒険 その4

「懐かしい、まだあったのか。」
私の名前はリゴ・ターストン、今年で46歳になる科学者だ。
引越しのために荷物を整理していて、意外なものを見つけた。
古ぼけた表紙に『リゴの大冒険!』と色鉛筆で大きく書かれている落書き帳だ。
私は、友人のエアロと川沿いを上流に向かって冒険した時に書いた日記である事を思い出した。
「こんな古い日記があったとは、どれ、読んでみるか。」

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「そこにいるのは誰だ!」
ぼくたちはその声のしたほうにいっせいにふりむいた。
そこにはずっと前からあってないデリオ兄ちゃんがいた。
デリオ「って…リゴにエアロか!?」
ぼくたちは、とおくまで冒険したから兄ちゃんにおこられるのかとおもってびっくりした。
デリオ「久しぶりじゃないか、2人とも元気にしてたか?」
だけど、兄ちゃんはぼくたちにやさしく話してくれた。
ぼくとエアロは池からでて、兄ちゃんのところにはしっていった。
エアロ「デリオ兄ちゃん!」
リゴ 「兄ちゃん!」
デリオ「はっはっは、相変わらず元気がいいな。」
兄ちゃんにしばらくあってなかったから、たくさんお話をした。
エアロ「ところで兄ちゃん、とつぜん町からいなくなっちゃったけど、どこにいってたの?」
そう、ぼくたちの兄ちゃんは、ある日とつぜん町からいなくなっちゃったんだ。たくさん絵本をよんでくれたりしてたのに、きゅうにいなくなっちゃった。
デドンたいちょーの冒険をよんでくれたのも兄ちゃんだった。
エアロがそうきくと、ぼくは兄ちゃんのかおに元気がなくなったようにみえた。
デリオ「俺か?…ついてこいよ。」

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そこから先は興奮していたのか、文章はとても読めたものじゃなかった。
しかし、私は今でもその時の事をはっきりと覚えている。
何故なら、私が科学者になる事を決意したのはその時だったからだ。

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僕とエアロは、デリオ兄ちゃんについていった。
兄ちゃんはちっちゃい池の後ろにある大きな洞穴に入ったので、僕達もその後を追った。
するとどうだろう、そこには地球の中心に届いているのではないかというほど長い、下りの螺旋階段があった。
兄ちゃんはただ黙々と階段を降り続け、僕達もその後に続いた。
途中、岩肌からパイプやら電線やらが突き出て、そこいらじゅうに張り巡らされていた。
そして、階段の終点に着いた。
そこからは長い廊下になっており、遠くに光りが見えた。
中に入って僕達は絶句した。
僕達の町では存在すらあまり知られていない、『機械』があった。
それはかなり大型の円筒形で、自分たちの身長とはとても比較にならない大きさだった。
壁から伸びているパイプ、電線など全てがその機械に接続していた。
リゴ 「なに、これ?」
デリオ「これは設置型巨大貯水層、給水3号。
    簡単にいうと、川をつくる機械さ。」
エアロ「これで川を?」
デリオ「そう。昔、この付近では戦争が絶えなかった。この地方に一つしかない川の、水の利用権を争ったんだ。
   それで、争いの嫌いなどこかの科学者が『何とかして川を作れないか』って考えて作ったのがこの機械、給水なのさ。」
エアロ「つまり、これが川のはじまり…?」
デリオ「そうだな。なんだ、お前らもしかしてそれを探しに冒険にでも来たのか?」
リゴ 「うん、そうなんだ。それにしてもすごいよ!川のはじまりがこんなおっきな機械だったなんて!」
デリオ「それが、そんなにすごくないんだ。」
2人「?」
デリオ「エアロ、なんで俺がここにいるのかって聞いたよな?」

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