リゴの小冒険 その5

兄ちゃんはゆっくり、幼い僕達にわかるようにくだいて話してくれた。
デリオ「なあ、川ってすっごく大きいよな?だから造る為にはすっごく大きな力が必要なんだ。
この給水っていうのは、そういうすごい大きな力を持ってる。この給水が故障したら、その力はそこらへんに飛び散って大変な事になるんだ。
つまり、川がこの給水から溢れ出してくるんだ。
だから、故障しないよう誰かがにずっと見張ってなきゃいけないんだ。」
兄ちゃんの顔は、絵本を読んでくれた時みたいに優しかった。
けど、雨が降る前の空みたいな感じだった。

デリオ「その誰かっていうのに、俺が選ばれたんだ。な?すごくないだろ?給水って、誰か一人の人間を傍に置いておかなきゃ動いてられないんだ。」
エアロ「…兄ちゃん、もしかしていなくなった日からずっとここにいたの?」
デリオ「ああ。」
リゴ 「ずっと、ずっとこのきかいを見てたの?」
デリオ「そうさ。」
その時、給水から変な音(今思うと、あれは警告音の一種だったのだろう)がした。
デリオ「わるいな、見送りには行けそうもないけど、お別れだ。」
リゴ 「もう?」
デリオ「給水が呼んでるんだ。放っておくとお前らまで危険な目にあっちまう。さ、早く帰るんだ。」
僕達はしばらく黙って階段を上った。
出口が見えかけたあたりでエアロが口を開いた。
エアロ「兄ちゃん、もう絵本よんでくれないかな?」
リゴ 「…たぶん、よんでくれないよ。」
それっきり、僕達は家に着く前まで一言もしゃべらなかった。

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でもぼくはエアロにいいたことがあったから、いえにはいるまえにはなしかけた。
リゴ 「ぼく、かがくしゃになる!」
エアロがびっくりしてこっちをみた。
かおに『どうして?』ってかいてあった。だからぼくは、せいいっぱいのことばでいった。
リゴ「きゅうすいがあるかぎり、兄ちゃんはずっとあそこにとじこめられたままなんだ。そんなの、おかしいよ!
ぼくたちとあそんでくれないし、ほかのこともできないし、ごはんも、おふろも、ずっとあのなかですることになるんだ。
それに、きゅうすいがこわれたら兄ちゃんは…
まるで兄ちゃんがわるものみたいじゃないか!
だから、ぼくはかがくしゃになって、ぜったいにこわれないきゅうすいをつくる!」

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と、日記はここで終わっていた。
それからと言うもの、私は本当に科学者になるべく努力した。
というのも、
?「リゴさん、そろそろお時間です。」
おっと、もう行かなければ。
私の創った『新しい給水』の発表会があと一時間後に迫っている。

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