セクシー旅行記 ある所に「セクシー。」が口癖の男が居た。 ある日男は決意した。 「よし、旅に出よう。セクシー。」 男は旅に出た。 そしてある町についた。 とても田舎くさい町だった。 いもにーちゃん、いもねーちゃんしかいない。 男(仮に名前をブルボンとする)は町の名前を知りたかったので、とおりかかったいもねーちゃんに話しかけた。 「もしもし、ここは何ていう名前の町ですか?セクシー。」 「メージ町ですけど。…今あたしの事セクシーって言った!?」 「え、いや、これは口癖で。セクシー。」 「うれしい!生まれてから一度もそんな事言われたこと無かったのに!」 「あ、あの?セクシー。」 「ありがとう!自信がついたわ!さあ仕事に逝行かなくっちゃ!張り切るわよー!」 活気を得たいもねーちゃんは猛ダッシュでどこかへ消えていった。 「…。セクシー。」 もはやブルボンの口癖は病気のようなもので、語尾に必ずくっついていた。 立ち止まっていても始まらないのでブルボンは宿を探す事にした。 しばらく歩くと、町の中心部あたりについた。 と、ブルボンの服のそでを引っ張る男が現れた。 「金くれ。」 男はホームレスだった。 「す、すみません。今急いでるんで。セクシー。」 「…い、今なんて言った?」 「別に何も…。セクシー。」 「セクシーか…懐かしい響きだ。かつては俺もセクシーガイとしてもてはやされたもんだ。」 「あの、袖をはなして下さい。セクシー。」 「おお、心に染み渡るぜ!ありがとうよあんちゃん、俺もう一度人生頑張ってみるよ。」 元セクシーガイは袖をはなすと、どこかへ消えていった。 「…。セクシー。」 途中変な人に会いながらも(そのたびにセクシーで対応)、ブルボンは宿に着いた。 するといかにも無愛想な感じのおばさんがカウンターに立っている。 「ふう…いらっしゃい。泊まりかい?」 「はい。一泊いくらですか?セクシー。」 「一泊2000セイカーよ。………え?」 「どうかしました?セクシー。」 「あらやだぁ!こんなおばさん褒めたって何も出ないわよー!」 「いや、その。セクシー。」 「またまたぁー。でも嬉しいから半額にまけてあげるわ!」 「いいんですか?セクシー。」 「やだやだちょっと、これは晩御飯もサービスしないとね!今日はステーキね!」 ブルボンは『これ以上喋ったらどんなサービスをされるかわからない』と思い口を閉じた。 その後ブルボンはメージ町の人達に好かれ、しばらくその宿に滞在する事に。 彼のセクシートークは町の皆を元気付け、田舎くさい町はしだいに活気があふれ 町から市になり、ブルボンは市長に任命される。 活気がありながらどこか温かみのあるメージ市は、次第に観光客が訪れるようになり、セクシーまんじゅう、セクシーカステラ、セクシー名所などがどんどん登場。 セクシーガイという謎のスターも登場した。 ついにはブルボンの銅像まで建った。 メージ市はついにサーンジ国の首都に指定される。 と、この後ブルボンは行方をくらます。 しかし、メージ市には今もブルボンの意志が受け継がれ、語尾にセクシーをつける人も少なくない。 「というお話。はいおしまい。」 というと、女性は絵本を閉じた。 「おもしろかった!またよんでー!」 「はいはい。また読んであげるから今日はもう寝なさい。」 女性は子供に布団をかけると、子供が寝たのを確認し、電気を消して寝室を出た。 「スガはもう寝たかい?…。」 「ええ、あの絵本を読んであげるとすぐ眠るの。」 「なんだか恥ずかしいな。…セクシー。」 「あ。あなた、まだクセが抜けないの?」 「疲れてるとたまに出るんだよ。セクシー。」 「そうとう疲れてるみたいね。」 「ああ。セ…。」 「今日はもう寝ましょうか?」 「そうしたほうがいいな。セクシー。」 「フフフ、また言った。」 あの時町のみんなにセクシーって言って回ってるのみて、私やきもちやいたっけな。」 「何を言ってるんだよ。メージ町について一番最初に話し掛けたのはお前なんだぞ?あの町で一番最初にセクシーを聞いたのは君だったじゃないか。セクシー。」 「そんなの解ってる。もう昔の話ね。」 ガラガラ… 「ママー、怖い夢みたぁ。」 「あらあら、どんな夢をみたの?」 「セクシーガイっていうおじちゃんにお金とられそうになる夢。おっかけられて怖かった。」 「じゃあ、3人で一緒に寝るか。」 「仕方ないわね、そうしましょ。」 「わーい。」 その日3人は川の字になって寝たとさ。 めでたしめでたし。 |
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