リゴの小冒険 その2 ぼくたちは川にそって山のほうへあるいていった。 エアロの言ったことがうそかどうか確かめようと思ったから。 エアロ「けっこう遠そうだね。」 リゴ 「うん。」 エアロ「山のてっぺんまで行くとしたら、おなか空くだろうなぁ…。」 そう言うのを待ってたんだ。ぼくはエアロにわざとらしく笑ってみせた。 リゴ 「ふっふっふ、エアロたいちょーよくぞ気づいた。そんな事もあろうかと、じゃじゃーん!」 ぼくは鞄の中をエアロに見せてあげた。 エアロ「うわあ!食料だあ!でかしたぞ、リゴたいちょー!」 リゴ 「こんな事もあろうかとお菓子をいっぱい買っておいたのさ。」 たいちょーと呼ばれて、元気いっぱいになった僕らは、僕らの大好きな絵本『デドン隊長の冒険』のデドンたいちょーを気どって歩き続けた。 エアロ「リゴたいちょー、あの岩があやしいであります!」 リゴ 「ひるむなエアロたいちょー、勇気と元気できりぬけるんだ!とつげーき!」 二人で遊びながら歩いていくと、どんどんぼくたちの家が小さくなっていった。 お日さまがあたまの上まできていた。もうお昼だ。 ぼくたちは食料をたべて一休み。 クッキーとかをいくつかたべた。 エアロ「リゴたいちょー、食料せつやくのため、ごはんをやめるであります。」 リゴ 「うん、そうしよう。」 なんかしらないけど、川がキラキラ光ってきれいだった。 こんなこと思ったの初めてかも。 エアロ「リゴはさぁ、川がうえからしたに落ちてるんじゃないと思ってるんでしょ?」 リゴ 「うん。」 エアロ「じゃあなんだと思ってるの?」 リゴ 「よくわからないけど…だれかに聞いて、それで分かったふりして、得意げになってみんなに話すでしょ。いつもみんなそればっかりで、ぼくは面白くなくなっちゃったんだ。」 エアロ「でも、みんなが言ったことを全部調べようとしたら、こんなふうに疲れちゃうよ。」 リゴ 「ぼくらがしたい『冒険』って、そういうことを調べることじゃないの?」 エアロ「?」 リゴ 「デドンたいちょーだって、みんなが恐がってたアクマを倒しにいったんだよ。みんな恐いって知ってたのに、デドンたいちょーはアクマを倒しに行ったんだよ。 ぼくは、そういうのが冒険だと思うんだ。」 エアロ「…行こう。おとなになったら出来ないかも知れないから、冒険をしよう!よくわからないけど、冒険って、見つける事なんだ!」 リゴ 「うん、行こう!エアロ!」 ぼくはこんなことを言うのははじめてだった。へんなやつだと思われたくなかったから。でも、エアロはわかってくれた。 ぼくと、エアロは、ともだちなんだな。 ぼくたちは、デドンたいちょーみたいに、川のはじまりへむかった。 |
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