白湯好きが床のレンガの数を数えて暇つぶしをしていると、トレジャーハンターが目を覚ました。 「いってー…んん?ここは?」 「さあ、少なくとも私の部屋じゃないですよ。」 「そうかい…お前どうやってここへ来た?」 「私は『落ち無しおじさん』と名乗る人にボディブローを食らって、気づくとここに居ました。」 「ほー…。もしかしてそいつ、レスラーパンツ一丁だったか?」 「ええ。」 「奇遇だな、俺もそいつに殴られてここに来たんだ。」 「へぇ。」 会話が終わり、白湯好きは再びレンガを数え始めた。 トレジャーハンターはいつもの癖で、部屋に妙な仕掛けがないかと壁をたたき出した。 と、いきなり鉄格子の扉が開いた。 そして七三分けの男が放り込まれると、扉は再び閉じられた。 男のエプロンには『スーパー キムラ』と書かれている。実演男だ。 「…起こすか?」 先に口を開いたのはトレジャーハンターだ。 「どうせまた落ち無しおじさんに連れてこられた人でしょう。起こしても何の得にもなりませんよ。」 「冷ったいやつだなー。」 トレジャーハンターは実演男の肩を軽くゆすった。 「おい、おい。」 「う、うん?」 実演男が目を覚ますと、目の前にインディージョーンズもどきが、横にレンガを数えている人がいた。 起き上がると鉄格子がある。 全く状況を把握できないうちに、聞き覚えのある声が部屋に響いた。 「レディース・エァーンド・ジェントルメァン!落ち無しおじさんだ。」 鉄格子の向こうに落ち無しおじさんが立っていた。 |
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