今日会話5

イー 「今日の日記は、前々々々回から引き続いてるぞ。」
ロハニ「久しぶりにまともな解説ね。」
イー 「ああ、すがすがしいぞ。」
ロハニ「で、どうしましょうか?」
イー 「手、辛いんだろ?」
ロハニ「ええ。もう…だめかも。」
イー 「じゃあ手を離さずに下に置けばいいんじゃないか?」
ロハニ「…今日の私、どうかしてるわ。よりによってあなたに指摘を受けるなんて。」
イー 「はは、お褒めの言葉に感無量だ。」
ロハニ「じゃあ降ろ…ああっ!」
イー 「バッカお前手ぇ…!」
ロハニ「…………。」
イー 「…………。」
ロハニ「…爆発、しないわね。」
イー 「……ああ。」
ロハニ「…。」
イー 「かつがれたな。」
ロハニ「こんなフェイクに1時間も足止めされるなんて…馬鹿らしい。」
イー 「馬鹿らしい…な。」
ロハニ「フフ、そうね。」
イー 「はは、は…はぁっはっはっは!」
ロハニ「あはは、あは…あははははははは!」
イー 「はっはっはっはぁー!…はぁ。」
ロハニ「ただ笑うしかないってこういう状況だったのね。」
イー 「ああ、貴重な体験だな。」
ロハニ「じゃあ両手も開いたことだし、早速解体にとりかかっていただける?」
イー 「了解だ。…っと、まずここが上蓋で…ここが…ちくしょう!」
ロハニ「ど、どうしたの一体!?」
イー 「こいつは大ニュースだ、手の所にあったセンサーどころか、中身までフェイクだ。」
ロハニ「ねえ…私たちって…。」
イー 「言うな。言うと今の百倍は虚しくなるぞ。」
ロハニ「でも、状況は好転した事になるわね。」
イー 「そうだ、プラス思考でいこうぜ。とりあえずパっと仕事こなして帰るか。」
ロハニ「そうね。ところで、あなた武器はあるの?」
イー 「いや、あの時取り上げられたナイフが唯一の装備だった。」
ロハニ「だらしないわね、もっとこういうふうに…巧妙に隠しなさいよ。」
イー 「…そんなんどこに隠してた?」
ロハニ「秘密よ。」
イー 「グロックか、弾は?」
ロハニ「銃にフル装填されてて、あとは弾倉二本。今50階だから…ちょっと危険ね。」
イー 「ああ、途中で盗ったりして行くか。」
ロハニ「それにしても…おかしいわね。」
イー 「そうだな、爆弾が偽者だってのにこの部屋に見張りを立ててる雰囲気が無いし」
ロハニ「そうじゃなくって、ちょっと前の状況が。」
イー 「…確かに。まさか爆弾に告白をせかされるとは思ってなかったな。」
ロハニ「きっといい笑い話になるわ。」
イー 「そうだな…おい、足音。」
ロハニ「…近いわね!体勢を整える?」
イー 「その余裕は無いみたいだ。かなり近いな。鉄扉が開いたら撃て!弾が切れ次第俺が特攻かける!」
ロハニ「わかったわ!…開いた!」
ホヘッド「っ待て!撃つな!っておわ…。」
イー 、ロハニ「「ホヘッド!?」」
ロハニ「大変!撃っちゃった!」
イー 「大丈夫か!?」
ホヘッド「いや、あらかじめ予想してた事態だから防弾チョッキは着用済みだ。」
イー 「よかったな、眉間を狙われなくて。」
ロハニ「狙ってたけど咄嗟に狙いを外したのよ。」
ホヘッド「流石反射能力No.1だな。ってて…。」
イー 「はあ…。って一つ質問していいか?」
ホヘッド「どうぞ。」
イー 「どうして連絡も無しに助けに来れたんだ?」
ロハニ「そうよ、どうして?それに私に撃たれるのを『事前に予測してた』って…。」
ホヘッド「実は、そう聞かれるのを待っていたんだよ。」
イー 、ロハニ「は?」
ホヘッド「これは全部、僕が仕組んだんだよ。ここでの出来事、いつも通り囮作戦に引っかかる間抜けな組織の奴らも、そこに転がってる偽爆弾も、全て僕が用意した偽者さ。」
ロハニ「…なんでそんな事を?」
ホヘッド「いやー、それなんだけど…実は同僚と賭けをしてたんだ。『イー とロハニはいつくっつくのか?』って賭けさ。で、僕は今月に賭けてたんだよ。だから今回のエセ任務を仕組んだのさ。
人間は危機的状況に陥ると、特別な気分になる心理があるから爆弾を二人に持たせてやったんだ。二人で一つの爆弾を持つ事によって離れる事もままならない。そんなチャンスを与えてやれば、いつかどっちかが言うんじゃないか…ってね。
それに、君達が隠れ両想いだったのは、本人を除く全員が知ってたしね。」
イー 「…。」
ロハニ「…。」
ホヘッド「まあ、僕はさながら恋のキューピットってとこかな?」
イー 「…実は俺きっかけに困ってたんだ。言う機会を与えてくれて感謝してるよ。」
ロハニ「うん、私もこんないい体験もう一生出来ないと思うわ。」
ホヘッド「そ、そうか?そこまで言われると照れちゃうなぁ♪」
イー 、ロハニ「なぁーんて、言うと思ったか?」
ホヘッド「え…あの、お二人さん?なんだか目が恐…ギャ―――――――――!」

*******しばらくお待ち下さい*******

イー 「あーあ、お前のせいで全編会話じゃ無くなっちまった。」
ロハニ「ほんと、『しばらくお持ち下さい』が入っちゃったじゃないの。」
ホヘッド「…流石成績上位者カップル…ボコりかたが並じゃな…い…ガク。」
イー 「なあロハニ?」
ロハニ「何よ?」
イー 「まさに今からが俺達にとっての、一日の始まりだな。」
ロハニ「?」
イー 「何拍子抜けした顔してんだよ。『もう一度今日がやり直せるならデートに行きたい』って言ったのお前だろ?」
ロハニ「…あ、そういう意味ね。」
イー 「じゃ、行くか。」
ロハニ「そうね。…ねえイー ?」
イー 「何だ?」
ロハニ「今日は、いい天気よね。」
イー 「ああ、いい天気だな。」
ロハニ「そして…平和よね。」
イー 「…ああ、平和だな。」

〜fin〜

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