〜 二五一 〜


いい日和だ。
外にも出ずにコーラを飲み干すと、世界が蛍光の緑色に染まってゆく。 なんだこりゃ、どんどん染まっていくぞ。
空は黒一色、周りのものはすべて蛍光の緑になった。
辛うじて物体の形を見分けることができるが、蛍光なのでかなり目に負担がかかる。

サングラスをつけて外に出ると、予想していた光景がそこにあった。
すべて緑。車も木も、ポストも。
自分はなぜか染まっていない。なぜだろう?
ふと、携帯を見てみる。蛍光の緑だ。画面も緑なのでメールは打てないだろう。
だが電話はかけれる。
このわけのわからない状況下で落ち着きを取り戻そうと、友人に電話することにした。
ピポパ…プルルルルル…ガチャ。

もしもし?
『…ヴヴヴ』
ん?おい、もしもし?

妙なノイズしか聞こえない。

『ディア…ボロス……ヴヴヴヴ…』ブツッ

電話が切れた。そして画面は真っ黒になった。
携帯に反射して自分の顔が見える。肌色、黒い髪、サングラス。普通の色だ。

携帯の電源はそれっきりつかなくなった。
どうしようもない不安が襲ってくる。自分以外の人間が一人もいない。 どうしたらいいんだ…。
そうだ、駅前に行ってみよう。駅なら人ぐらいいるだろ。

駅前にも人影はなかった。駅の中に入り、改札を通る。駅員がいないのでもちろん切符なんて買わない。
ホームへ抜ける階段を上がると、奇妙な光景がそこにあった。
(…といっても、周りが全て蛍光の緑なだけで奇妙なのだが)
電車がレールの上に乗っている。いつもとは全く違う状態で。
逆さまなのだ。
そして、中には人がぎっしり乗っている。重力に逆らい、足は電車の床についている。

そして全員、蛍光の緑色だ。

なんだこりゃあ?
列車は何の前触れもなく、空に落ちていく。
そしてホームに新しく列車が入ってきた。
いや、降ってきた。

中には一人も乗っていない。
ドアが開く。
全身をピリピリした電気みたいなものが走った。これに乗っちゃいけない。
そんな気がした。

目次 

広告 [PR]  ダイエット キャッシング わけあり商品 無料レンタルサーバー